東洋ゴム工業(大阪市)と国土交通省は21日、新たに25都府県の90棟で性能不足の免震装置ゴムが使用されていることを確認したと発表した。国の基準に満たない製品を使った物件は3月公表の55棟と合わせ計145棟となり、不正問題が拡大した。データがなく性能が判定できない9棟もあり、東洋ゴムは計154棟について耐震性調査など対応を進める。
東洋ゴムは、性能不足の製品のデータ改竄(かいざん)について、当初から関与が疑われた担当者だけでなく、後任担当者らを含め計4人が関与した可能性も明らかにした。問題は組織ぐるみの不正に発展した。
国交省は、性能不足などの計99棟に関し、4月中に安全性を検証して報告するよう東洋ゴムに指示した。東洋ゴムは、99棟が震度6強~7程度の地震に耐えられるか早急に調査する。その後製品を全て交換する方針。
大阪市の国重文も
新たに発表した90棟の所在地は、愛知の13棟が最多で、次いで静岡の12棟、東京の11棟など。高知県四万十町の町役場庁舎や、国の重要文化財の大阪市中央公会堂などが含まれる。