免震装置ゴムの不正問題に関し、記者会見の冒頭で頭を下げる東洋ゴム工業の久世哲也代表取締役専務執行役員(中央)ら幹部=21日午後、大阪市(共同)【拡大】
≪国交省、再発防止へ検査態勢強化≫
国の性能基準に満たない東洋ゴム工業の免震装置が、新たに90棟で使用されていたことが21日分かった。3月に55棟で性能不足が見つかった時点では問題拡大の可能性を否定していただけに、同社のチェック態勢の甘さが露呈した形だ。国土交通省は既に原因究明と再発防止策の検討を始めており、免震ゴムの認定制度の信頼維持に向け、検査態勢の強化を進める。
6月1日には改正建築基準法が施行され、免震ゴムのような建築材料を製造している企業の工場に国や自治体が立ち入り検査できるようになる。東洋ゴム問題の発覚以前の法改正だが、認定後に点検を受けない現行制度を改める手法の一つとして有力視されている。
国交省の担当者は「工場の製造ラインや品質管理態勢の抜き打ち点検、無作為の抽出検査などもできるようになる」と話す。
国交省の橋本公博住宅局長は15日の衆院国交委員会で「品質管理態勢や、その後の対応も含めて審査しなければいけない」と強調した。国交省は今後、有識者委員会で具体的な検査方法に加え、制度の見直しも含めた検討を進める予定だ。(SANKEI E XPRESS)