長らくチョーさんの編集に携わってきたトムズボックスの土井章文さんが奥さんにインタビューしてくれたのでわかったことですが、チョーさんは家のことは何もできなかったそうです。それどころか、自分が描いた絵の上にトレペも貼れないし、旅行の用意もできない。そこで奥さんがそろそろ旅に出るなという頃合いに、大中小の3つのカバンに下着やお菓子や着替えを詰めておいて、チョーさんはただそのうちの一つを選んで出掛けるだけだったようであります。旅先では必ず水族館に寄っていたのです。
しかし、しかしながらですね、チョーさんは2005年6月に亡くなったのですが、みんなはまだ長新太を合掌も合唱もできていないのですよ。子供たちに生まれ変わったら何になりたいですかと聞かれて、うん、ぼくはイカやタコになりたいねえと言っていたチョーさんの仕事のことを、どう語ればいいのか、このモンダイにみんなはいまだ切羽詰まっていないのであります。そろそろみんなが長新太に痺れきってもらうために、今回はチョーさんをブックウェアしてみたのですよ。では、チョーさん、天国へんてこパンツを贈ります。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)