【BOOKWARE】
【さ】 福岡住吉地区に大型複合商業施設キャナルシティ博多がある。その3階・4階に無印良品があって、以前から杉本貴志さんの斬新なインテリアツールなどが話題になっていた。その無印良品がさる3月5日に全面リニューアルオープンし、同時にその一角に「MUJI BOOKS」が開店した。編集工学研究所が選書と棚組みと構成を引き受けた。
無印良品はいまは亡き田中一光さんのコンセプトが生きている、世界でもめずらしい製販一貫の生活用品ショップだ。青山に1号店が出た80年代半ばのことをいまでも思い出すが、これはやられたと兜を脱いだ。
【し】一光さんに「あれ、参りました」と言ったらニッコリ笑っていた。店舗デザインにはすでにスーパーポテトが加わっていたし、開店時の「わけあって、安い」というコピーは小池一子さんが作った。みんな一光軍団だった。その「あっぱれ」ぶりに対して、2003年、審査員の磯崎新やアンドレア・ブランジや石井幹子と企んで「織部賞」をさしあげたことがある。