激しい動きに加え、スピーディーなせりふのやり取りも本作の特徴だが、80歳を超えた平幹二朗はどのようにしてあの長いせりふを覚えたのだろう。「昔は2、3回、台本を読んで稽古していれば覚えられたんですけれども、今ではそんなことではとても覚えられないので、まず最初に声を出さずに読み、それから次は声を出しながら読んで、そのときに役作りといいますか、どういう『音色(おんしょく)』がいいかを探るんです。それが済むと今度はノートに書きます。仮名で書いてあっても、漢字に直せるものは漢字で書き出します。漢字の方が形で覚えられるので記憶に残ります。仮名は音だけですから、だめですね」。まったく別の人物になりきろうと努力する大ベテランの鬼気迫る姿をのぞかせた。5月9日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)