昨年9月には大手企業による違法ラード販売も明るみに。統一地方選への影響を懸念した馬英九政権は昨年10月、立法委員(国会議員に相当)の提案を受けて新規制を発表。今年3月に5県産食品に産地を偽ったラベルが貼られていた問題が発覚し、規制強化を後押しした。
こうした産地証明を義務付ける規制強化について、日本のリンゴ生産量トップ・青森県で懸念が広がっている。旧正月の贈答需要などが多い台湾は、最大のリンゴ輸出先。膨大な作業が足かせとなり、海外展開を加速させる戦略が打撃を被る恐れがあるためだ。
貿易統計に基づく県のまとめでは、2014年産のリンゴ輸出は14年9月~15年3月で計2万8424トン。このうち台湾向けが81%を占めた。東京電力福島第1原発事故の風評被害や不作などで1万トンを割った11年産から順調に立ち直り、県によると、青森産は輸出全体の約9割に達するという。
これに対し、台湾政府は、これまで輸入を禁止してきた福島など5県以外の食品についても、15日から都道府県ごとに公的機関の産地証明書の添付を求めると発表した。