人気アイドル「モモイロクローバーZ(ももクロ)」主演の舞台「幕が上がる」(本広克行演出)=2015年4月30日(阿部章仁さん撮影、提供写真)【拡大】
岩手県は宮沢賢治の故郷でもある。舞台では悦子を軸に、岩手県と震災という新しく加わった2つの要素がポイントとなる。かつて平田は「銀河鉄道の夜」をフランスの児童向けに再構成して、「友人の死を受け止めながら成長していく子供の物語」という視点を浮かび上がらせた。10年から震災後の11年にかけて現地で上演。その後、日本語版も制作して、被災地を含む全国で上演した。今回の舞台にはそうした背景が生きている。
部長のさおり役は、吉岡先生が去った後の部をまとめなければいけない姿が、実際にももクロのリーダーである百田の実像とかぶる。ダンスのうまいがるる(高城れに)も「本人そのもの」との評があるなど、ファンには役柄に、5人の素顔を投影する楽しみもある。
勘がよく柔軟性もある
演技の経験がほとんどなかった5人を平田は映画の撮影前、自ら主宰する劇団のワークショップに参加させた。「勘がよくて柔軟性がある子たちでずいぶんうまくなった」といい、舞台稽古も「人気絶頂のアイドルにしては、相当な時間を割いてもらった」という。実際、演劇部の看板女優ユッコ役の玉井詩織は「演技はやればやるほど深いものだと感じた」と話し、下級生の明美役の佐々木彩夏は「チャンスがあればもっと」と、各自が芝居への興味を膨らませている。