タケオ君(右)と一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる。短い撮影の間にもさまざまな表情を見せて、みんなを笑顔にしてくれた=2015年4月18日(小野寺宏友さん撮影、提供写真)【拡大】
歌うようにマリンバをたたき、肩でリズムを刻む。肩甲骨が笑っているようだ。お尻もキュッキュッとあがる。本当に楽しそうに演奏する。アンコールの声に踊り出し、客席にリフレインしろと合図を送る。ステージと客席のセッションがスタートする。タケオ君の「ありがとうございましたー!」のあいさつが終了の合図だ。
タケオ君の魅力にとりつかれて彼の写真を撮り続けている足立剛一さんは「以前は自分のためにたたく太鼓だったけど、この10年でどんどん変わってきた。お客さまを楽しませながら、自分も楽しんでいる」と話す。
4月に完成した、年に1回開催している定期コンサートの第8回から第13回までの映像を収めたDVD「新倉壮朗の世界」を見れば、タケオ君の成長の軌跡がわかる。楽器を演奏するだけではない。時にはユニークな言語で歌ったり、コミカルな即興劇をやってみたり、おちゃめなタケオ君のパフォーマンスに客席から笑い声があがる。タケオ君もお客さんの笑い声にニッコリ。そうかと思えば、現代音楽家さながらにアバンギャルドかつエモーショナルなピアノの即興演奏を披露する。驚くべきことに誰かに師事したわけではないという。