経済財政諮問会議で、あいさつする安倍晋三(しんぞう)首相。右は菅義偉(すが・よしひで)官房長官=2015年5月12日午後、首相官邸(共同)【拡大】
一方、もう一つの財政健全化策である歳出カットの議論は行方が見通せない。財務省の財政制度等審議会や自民党の財政再建に関する特命委員会は、社会保障費の抑制や地方予算の削減などを打ち出しているが、自民党内からは「来年参院選を控えているのに、社会保障費などの大幅カットは、どだい無理な話」(中堅)と、占拠への悪影響を懸念する声が相次いでいる。
狙いは「中間目標」
政府は、6月に取りまとめられる経済財政運営の指針「骨太方針」に、32年度のPB黒字化に向けた財政健全化計画を盛り込む。消費税10%超への増税は封印されている上、歳出カットも具体的に打ち出せないとなると、高成長による税収増に大きく期待する内容となりそうだ。
財務省の次の狙いは、18年度に財政健全化の中間目標を設定し、達成できない場合の消費税10%超への増税の可能性を残すことだ。政府筋は「今秋の自民党総裁選で首相が再選されれば任期は18年の秋まで。それからだったら10%超の議論はできるはずだ」と語る。
消費税率引き上げ論議による政局を嫌う首相が、中間目標未達による消費税10%超への増税の可能性は容認するのか、財政健全化計画の注目点となりそうだ。(桑原雄尚/SANKEI EXPRESS)