「大阪都構想」の住民投票否決を受けた記者会見で政界引退を表明した橋下(はしもと)徹大阪市長=2015年5月17日夜、大阪市北区(門井聡撮影)【拡大】
首相は教育再生を掲げた06年の第1次政権で、公共心や愛国心などを重視した教育基本法改正を実現させた。強硬に反対したのが、民主党を支える日教組だった。首相と橋下氏にとって偏向教育を続ける日教組は「共通の敵」であり、首相はインタビューで橋下氏を「戦いにおける同志」と高く評価した。
橋下氏はまた、「公務員が国歌斉唱時に起立するのは当たり前」と主張し、府知事時代の11年6月、卒業、入学式などの国歌斉唱時に教職員に起立斉唱を義務付けた条例を府議会で成立させた。
歴史認識でも共通点は多い。橋下氏は12年8月、「強制連行を直接示すような資料はない」とした07年の安倍内閣の閣議決定を引用し、慰安婦募集の強制性を認めた1993年8月の河野洋平(こうの・ようへい)官房長官談話を「証拠に基づかない内容で最悪」と批判した。原発政策や道州制など見解の異なる政策もあるが、外国人参政権反対や靖国神社参拝など理念にかかわることでは2人の息はおおむね合っていた。