少年が体を丸くして隠れていたスーツケースのスキャナー画像=2015年5月8日、スペイン領セウタ(AP)【拡大】
しかし、スーツケースには空気穴もなく、検問所の広報担当者はガーディアン紙に対して「窒息死していた可能性もあった」と、文字通り決死の密入国であったことを明かした。
少年はすぐさまスペインの児童保護施設に送られ、女は少年を密入国させようとした罪で逮捕された。女は少年とは面識がなかった。
検問所で少年が発見されてから約2時間後、当局はコートジボワール出身でスペイン領カナリア諸島に住む少年の父親(42)を息子に対する人権侵害の容疑で逮捕した。
父親は検問所の職員にスーツケースの中の少年の写真を見せられ、「息子です」と認めたという。
父親の弁護士が欧米メディアに語ったところによると、父親もコートジボワール出身で、7年前からカナリア諸島で合法的に暮らし、コインランドリーで働いていた。
父親はしばらくして妻(少年の母親)を呼び寄せ、最近、11歳の長女も呼び寄せたが、その後、賃金ダウンに見舞われて息子の滞在ビザを取れる収入要件を満たせなくなってしまった。