少年が体を丸くして隠れていたスーツケースのスキャナー画像=2015年5月8日、スペイン領セウタ(AP)【拡大】
それでも何とか息子を呼び寄せたかった父親は、5000ユーロ(約67万4000円)を支払い、蜜入国を女に依頼したという。
近年、多くのアフリカ人が欧州での豊かな生活を夢見て、セウタや地中海沿岸にある同じスペインの飛地領メリリャを経てスペインに密入国を試みている。
昨年は約5000人が密入国に成功したとみられ、スペイン国内で社会問題化しており、当局も神経をとがらせている。
ただし、今回のケースに関しては、家族がスペイン領内で合法的に暮らすなか、少年がただ1人置き去りになってしまったという事情もあって同情論も強い。18日付現地ニュースサイト、スパニッシュニューストゥディによると、父親の釈放を求める請願書に4万5000が署名した。
5月21日付フランス通信(AFP)によると、こうした声を踏まえ、スペインの入国管理当局は「特別な事情」を理由に、少年に1年間のスペイン滞在を許可。少年は、DNA鑑定で母親との親子関係が証明できれば、直ちに愛する母親の下へ送られるという。(SANKEI EXPRESS)