大関昇進が決まり、部屋前で騎馬にまたがる照ノ富士=2015年5月27日、東京都江東区の伊勢ヶ濱部屋(戸加里真司撮影)【拡大】
対照的に日本人3大関は苦しい。琴奨菊は来場所が5度目のかど番で、豪栄道は両肩に負傷を抱える。勝ち越しがやっとの場所を続ける2人が地位を守れなければ、残るは稀勢の里(きせのさと)のみ。7月に29歳となる最後のとりでがモンゴル5強との過酷な闘いを勝ち抜くのは至難の業だ。
国技の面目を損なう危機は刻一刻と近づき、稀勢の里をしのぐ素材も見当たらない。横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は日本人横綱誕生の見通しについて「十両や幕下に体の大きな力士はたくさんいるが、差し当たって目の前にはいない」と困惑するしかなかった。(SANKEI EXPRESS)