山道迂回路に住民困惑
ただ、課題も残る。以前の野蒜駅の周辺で自宅を再建したり、被害が少なく住み続けたりしている約500世帯の住民らは駅の高台移転で、通勤、通学の足が遠のいたことに不満を募らせている。
「こんな近いのに、何で駅まで行けねぇんだ」。東松島市の無職、坂本雅信さん(66)は憤る。坂本さんが住む地区から高台の新駅まで、市がスロープやエレベーターを設置するのは来年3月の予定。多くの住民は徒歩30分以上かかる山道を迂回(うかい)する必要があるという。
駅までの無料送迎バスは1日4本運行するが、復興事業費の一部に自治体負担を求める国の方針を踏まえ「いつまで続けられるか分からない」(東松島市)という。新駅近くに建設される448戸の災害公営住宅「野蒜北部丘陵地区」も入居開始は2016年後半以降となる。
野蒜を訪れた仙台市の高橋芳光さん(66)は「完全な復興にはあと10年ぐらいはかかるのかな」とため息をついた。(SANKEI EXPRESS)