ルーブル美術館前のセーヌ川に架かる長さ155メートル、幅11メートルのポンデザール橋は、ナポレオン時代の1804年にパリ初の金属製橋として建設された。一帯はユネスコの世界遺産に指定さている。
「自撮り」呼び掛け空振り
AFP通信や米CNNテレビ(電子版)によると、恋人同士が2人の名前を書いた南京錠を取り付け始めたのは2008年頃。きっかけはイタリアで06年に発刊され、翌年に映画化された恋愛小説「君が欲しい」。この中で、恋人同士がローマにあるミルヴィオ橋の街灯の下で愛を誓い、街灯に2人の名前を書いた南京錠を取り付け、鍵をテヴェレ川に投げ込む場面があった。これがローマで流行しパリに広がったという。
ところが、ポンデザール橋ではブームが過熱し、12年頃から、橋への落書きのほか、観光客向けに安い南京錠を売る業者が徘徊し、スリなどの犯罪も目立つようになった。さらに昨年6月には欄干の一部が南京錠の重みで壊れる事態に。市は8月、南京錠を取り付ける代わりに橋の上での「自撮り」を呼び掛けるキャンペーンを展開したが効果はなく、安全と景観を守るため撤去を決断した。