ただ、パリではポンデザール橋以外の11カ所の橋やエッフェル塔にも南京錠が取り付けられており、その数も100万個に上る。このため、パリ市議会は公式サイトで「世界遺産地域の劣化やパリ市民、観光客らの安全が侵されるといった問題が他の橋にも広がっている」と訴え、全面撤去を求めた。
日本ではモニュメント設置
愛の南京錠の風習は世界各地にあり、恋人たちが訪れる“聖地”となる一方、景観面などで問題化。アイルランドのダブリンでは12年に市議会が禁止条例を定めたほか、オーストラリアのメルボルンは先月、市内のサウスゲート・フットブリッジで2万個を撤去した。
日本でも04年に神戸市のビーナスブリッジで増えすぎたため、橋の近くに南京錠を取り付ける「愛の鍵モニュメント」を設置する苦肉の策をとった。
「観光業界が、愛の南京錠をロマンチックな行為として宣伝している限り、厳しい闘いは続く」
市民団体のアンセルモさんはCNNにこう語った。ところかまわず南京錠を取り付ける恋人たちの愛を断ち切るのは、簡単ではないようだ。(SANKEI EXPRESS)