中東呼吸器症候群(MERS)を警戒してマスクをする医療関係者=2015年6月2日、韓国・首都ソウル(AP)【拡大】
≪初動対応ずさん 警戒強める日本≫
韓国でMERSコロナウイルスによる死者や3次感染が初めて確認された。
これまでアジアでの感染例は少なく、周辺国には警戒感が広がる。インフルエンザのように感染力は強くないとみられているが、韓国は日本にとっても往来の多い隣国。韓国の初動対応のまずさには不満も漏れ始めた。
韓国で最初に感染が確認された中東帰りの男性(68)が入院した病院で、患者や医師らに急拡大、感染者は約10日で25人に上った。
男性の感染確認を受け韓国当局は男性と同じ病室の患者や家族ら計約60人を隔離、「強力で広範囲な措置だ」と胸を張った。だが約1週間後に別の病室でも感染が確認され急きょ隔離対象を拡大したが、その間にも感染の恐れのある多くの人々が外出してしまったとみられる。
「病院分からない」
日韓間は例年約500万人が往来している。韓国で感染が急拡大したが、ウイルスの感染力に大きな変化があったわけではないようだ。厚生労働省の宮川昭二感染症情報管理室長は「人から人への感染は限定的で、韓国でも感染は院内が中心だ」と強調。