「低密度超音速減速機(LDSD)」のテスト機をのぞき込むこのプロジェクト責任者のマーク・アドラー氏(左)。新開発の「超音速パラシュート」がうまく起動するかが実験の大きなポイントになる=2015年5月28日、米ハワイ州カウアイ島(NASA/Bill_Ingalls)【拡大】
その後LDSDはロケットを噴射し、マッハ4のスピードで上空5万4000メートルまで上昇し、そこで新開発の超音速パラシュート(直径30メートル)を開き、減速しながら下降。海上に着水後、回収する。
LDSDには4台のカメラが付いており、そのカメラから実験のリアルな映像が地上のNASA関係者らに生中継される手はずだ。実験は当初、2日に予定していたが、海上が荒れたためこの日に延期された。
昨年6月は開かず
今回の超音速パラシュートの実験は火星有人探査を実現させるためには避けて通れない関門だ。NASAでは1976年の火星探査ミッション「バイキング計画」以降、同じパラシュートの技術を使っているが、火星有人探査では「火星に安全に着陸し、飛行士らが長期滞在するには探査機もより大型化し、重量も重くなる」と公式サイトでも明言している。