長江の客船転覆現場では、船底を切断する懸命の作業が行われた=2015年6月4日、中国・湖北省荊州市監利県(ロイター)【拡大】
船外に流されたか
内外メディアに許された取材では、当局が用意した海事局の船に救援拠点の川岸から乗り込み、現場に近付いた。船底の上では、十数人の救助部隊がバーナーで火花を上げながら厚い鉄板を切断していた。
3日夜から始まった船底の切断作業では、4日午後までに少なくとも3カ所にダイバーが船室に潜り込むための穴を開けた。4日朝までに船室から一度に40人近い遺体を発見。さらに4日夕までに10人近くの遺体を引き揚げた。遺体は川岸のテントで身元などを確認し、監利の葬儀場に運ばれるという。
「自分たちが潜った範囲では生存者は見つけることができず、船室の壁をたたいてもどこからも反応がなかった」。4日午前に船室に約2時間潜って救援作業を行ったというダイバーの廬平氏(47)と劉利華氏(35)の2人が、疲れ切った表情で取材に応じた。劉氏は「遺体もほとんど見なかった」とうつむきながら話し、行方不明の多くが船外に流された可能性があることを示唆した。
船室などの捜索は、ダイバー約200人が交代で24時間態勢で続けているという。