首都ソウル近郊の仁川国際空港で6月7日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染を防ぐため、マスクを身につけてゲートに向かう親子=2015年、韓国(AP)【拡大】
韓国保健福祉省は7日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに14人確認され、このうち男性(75)が5日に死亡したと発表した。感染者は死者5人を含む計64人。隔離対象者は2300人を超えた。韓国政府はまた、これまで「混乱を招く」として伏せてきた感染者らが訪れた24の病院名(多数の感染者が出てすでに発表済みの2病院を含む)を公表した。初動の封じ込めに失敗し、感染者は今後、さらに広範囲に拡大する様相をみせており、ずさんな対応に国民の間では政府の救助失敗で300人以上が犠牲になった沈没事故になぞらえ「全国民的なセウォル号事故だ」との声も上がっている。
院内で拡大
今回確認された感染者14人のうち、死亡した男性を含む10人は首都ソウル市のサムスンソウル病院での3次感染者。この病院には、最初の患者(68)から感染した男性(35)が転院し、応急治療室で多数の人と接触し、感染が広がった。病院で5日に死亡したことが発表された男性は、死後に感染が確認された。