天安門事件から26年となった6月4日夜、香港のビクトリア公園で行われた追悼集会に集まった若者たち。昨年の香港民主化デモの象徴となった黄色い雨傘を掲げる学生の姿もみられた=2015年6月4日、中国・香港(AP)【拡大】
学連は、集会を主催する民主派団体が「民主的な中国の建設」を掲げていることに反発し、香港の民主化を優先することを主張。一部学生組織は各大学のキャンパスなどで独自に追悼行事を行った。
昨年の抗議活動が明確な成果を得られないまま収束したことへの焦りが、学生らの強硬な姿勢につながっているようだ。
追悼集会の内容も、今年はより先鋭化した。一部の参加者は昨年の街頭占拠の際に警官隊の催涙スプレーから身を守るために使われ抗議運動のシンボルになった黄色い雨傘を掲げて参加。例年歌われてきた中国本土の歌は追悼会場から消えた。
「隣人の事件」
「天安門で起きたことは隣人の事件であり、われわれの事件ではない。追悼集会が中国の民主化を掲げる限り、二度と参加することはない」
米紙インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ(INYT、アジア版)は、今年初めて追悼集会への参加を見送った20歳の男子大学生のコメントを紹介した。INYTは、香港の若者が「親近感を感じていない中国で、彼らが生まれる前に起きた出来事」について記念する必要性を感じていないと指摘する。