天安門事件から26年となった6月4日夜、香港のビクトリア公園で行われた追悼集会に集まった若者たち。昨年の香港民主化デモの象徴となった黄色い雨傘を掲げる学生の姿もみられた=2015年6月4日、中国・香港(AP)【拡大】
INYTによれば、香港大が昨年末に実施した調査では香港在住者の42.3%が自分たちを「香港人」と考えており、「中国人」と認識しているのは17.8%に過ぎなかったという。INYTは「香港人の中国への幻滅が、より多くの自治と、さらには独立要求まで引き起こしている」と分析する。
脱中国、強まる分離志向
香港紙、明報(電子版)は、天安門事件の追悼行事が“分裂”したことを、民主化運動の衰退ととらえたり、中国政府に有利なことだと解釈したりするのは「木を見て森をみない」行為だと指摘する。
明報は、こうした香港の若者の動きは中国政府と中国共産党政権への反発から来ており、その「分離」志向は強まり続けていると分析。香港の若者世代は中国にアイデンティティーを感じておらず、香港は中国の一部であるとの考えに懐疑的で、中国本土に多くのマイナスイメージを持っているとし、「中国政府が香港政策で圧力を強めるほど、大きな逆効果を生んでいる」と指摘する。