米演劇界最高の栄誉であるトニー賞の授賞式が7日、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われ、渡辺謙さん(55)が王様役で主演したミュージカル「王様と私」は、ミュージカル部門の再演作品に与えられるリバイバル作品賞などを受賞し、4冠に輝いた。主演男優賞にノミネートされていた渡辺さんは、受賞を逃した。
ミュージカル部門で9つの賞にノミネートされた「王様と私」は、英国人の女性家庭教師役を演じたケリー・オハラさん(39)が主演女優賞、王妃役を演じたルーシー・アン・マイルズさん(32)が助演女優賞を受賞。さらに衣装デザイン賞にも選ばれた。
55歳の挑戦、辛口批評も
「王様と私」は19世紀のシャム(現タイ)王国の国王と英国人家庭教師の交流を描いた作品。1951年にブロードウェーで初演され、髪の毛を剃った厳格なシャムの王様役は、圧倒的な存在感を示した主演、ユル・ブリナー(1920~85年)の当たり役だった。渡辺さんも昨年の大みそか、妻で女優の南果歩さん(51)に髪の毛をそってもらい、“王様”に変身。だが、英語の舞台もミュージカルも初めてという55歳の挑戦は、決して平坦ではなかった。