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燃料取り出し時期 最大3年の遅れ 福島第1 廃炉工程表を改定 (2/4ページ)

2015.6.13 08:00

廃炉に向けた工程表が改定された東京電力福島第1原発=2015年2月、福島県双葉郡大熊町(共同通信社ヘリから撮影)

廃炉に向けた工程表が改定された東京電力福島第1原発=2015年2月、福島県双葉郡大熊町(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】

  • 廃炉工程表のポイント=2015年6月12日現在

 廃炉工程で最難関となるデブリの取り出しについては、格納容器を水で満たす冠水工法に加え、水を張らない気中工法も選択肢とした。2年後をめどに取り出し方針を決定することも明記した。

 福島第1原発の廃炉成功の鍵を握っているのは、デブリをどう取り出すかだ。今回の改定では複数の工法案を示しただけで、その実現可能性すら定まっていない。高い放射線量を出すデブリを取り出した後の処理方法も決まっておらず、大きな課題は先送りされているのが実情だ。

 リスク低減を優先

 今回の工程表の改定で大きく変わったのは、1~3号機の燃料貯蔵プールにある燃料の取り出し時期が最大3年遅れたことだが、最長40年とする全体の工程への影響はほとんどない。

 これまでは作業のスピードを重視したため、トラブルが頻発。作業員がタンクから落ちて死亡するなど労災事故も続発し、安全見直しのため、全ての作業がストップしたことがあった。工程への執着が逆に作業の遅れを招いた反省から、今回の改定では「全体のリスク低減」を優先する方針に転換したことが、工程見直しの要因だ。

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