官邸の出入り口周辺を警備する警察官ら=2015年4月23日午後、東京都千代田区・官邸周辺(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
東京都千代田区の首相官邸屋上で見つかった小型無人機「ドローン」は、4枚あるプロペラを保護する部品の一つが損傷し、ひっくり返った状態だったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁麹町署捜査本部は、何者かが官邸上空にドローンを意図的に飛ばし、着陸に失敗したか、落下した可能性があるとみている。さらに機体の詳しい状況を調べ、飛行経路の特定を急ぐ。
また屋上のヘリポートが最後に使われたのは3月22日で、その際にドローンは確認されなかったことも判明。捜査本部は、飛来した日時の特定が操縦者の割り出しにつながるとみて、周辺の防犯カメラ映像の分析や関係者への聴取を進める。
警視庁は事件を受け、官邸や国会議事堂を中心とした数百メートル範囲の警備を強化。周辺のビル管理者らに部外者が屋上に上がらないよう施錠や点検の徹底を申し入れるほか、不審者の職務質問に力を入れる。