10日、ロシアのプーチン大統領がバチカンを訪れ、フランシスコ法王(教皇)と会談した。
<【ベルリン=宮下日出男】ローマ法王フランシスコは10日、ロシアのプーチン大統領とバチカンで会談した。法王庁によると、双方はウクライナ情勢などを中心に話し合い、法王はプーチン氏に対してウクライナ東部の和平実現に向け、「誠実な努力」を促した。
発表によると、法王はウクライナ和平には「多大かつ誠実な努力」が必要だと強調。その上で双方は「対話のための建設的雰囲気」の回復と「全当事者による尽力」が重要との認識で一致した。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」についても意見交換した。
2人の会談は2度目で、ウクライナ危機発生後は初めて。法王はプーチン氏への表立った批判を控えつつ、欧米との協調を促した形。出迎えの際はプーチン氏が理解できる独語で「ようこそ」と語りかけた。
法王はロシア正教会との関係改善を目指すほか、イスラム国によるキリスト教徒の迫害が懸案となる中東情勢でも露側の協力が必要とする事情もあり、会談が注目されていた。プーチン氏はこれに先立つ10日、主要国首脳会議(サミット、G7)について「単なるクラブであり、ロシアと関係ない」と述べ、欧米の制裁を批判した>(6月11日産経ニュース)