流通経大を下して3年ぶり5度目の優勝を決め、喜ぶ早大ナイン=2015年6月14日、東京都新宿区・神宮球場(共同)【拡大】
序盤に今大会初めてリードを許したが、監督は「連投の疲れが出てくる。低めの変化球は振るな」と指示を徹底。狙い通り球が浮いたところで屈指の右腕を攻略した。茂木が「チャンスは絶対に来ると思っていた」と言い、この日4打点の石井も「自信を持って打席に立てた」と語る。4試合中3試合で2桁安打を放ち、準決勝で大会記録に並ぶ20安打と爆発したチームに焦りはなかった。
悲願の優勝を決め、教え子たちの手で3度宙を舞うと、普段は感情を顔に出さない監督の目に涙が光った。徳島・鳴門工高(現鳴門渦潮高)を30年以上率いて、2002年選抜大会準優勝が最高成績。「日本一になりたかった」という名将は、届かなかった全国の頂点に就任わずか1年目でたどり着いた。(SANKEI EXPRESS)