「132_5.ISSEY_MIYAKE」のドレスと靴。ドレスは放射線状に広がる優雅なフォルムが特徴、DIAGONAL_FOIL(7万2000円)靴(4万6000円)は黒・ベージュの2色展開=2015年6月5日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)【拡大】
ブランド名の「1」は一枚の布、「3」は三次元の立体造形、「2」は折りたたんで平面にする意味、「5」は人々が着て時間的な広がりが生まれ、服そのものが進化することを表現している。
「影」への美意識
谷崎潤一郎が「陰翳礼賛」に記した陰翳の濃淡のあやがもたらす繊細なあかりのニュアンスにヒントを得てつくられた「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」はイタリアのアルテミデ社が製品化した照明器具。「132 5.」を開発する過程で、衣服に限定することなく幅広いデザインの可能性を探る試みが実を結んだ。ベースには「影」に対する日本の伝統的な美意識がある。
そして2000年の登場以来、爆発的な人気を呼ぶバッグ「BAO BAO ISSEY MIYAKE」は、ミラー素材を使った「PLATINUM」や、他店の取り扱いが少ないデイパックなどのスポーツラインが並ぶ。シンプルな三角形のピースが集まり、軽くて柔らかく、自由自在な形を作るバッグの魅力は奥深く、新作発売日にはファンが押しかけるほどだ。