トヨタ自動車の豊田章男(とよだ・あきお)社長(59)は19日、東京都文京区の東京本社で記者会見を開き、トヨタのジュリー・ハンプ常務役員(55)が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことについて「世間をお騒がせすることになり誠に申し訳ない」と謝罪した。ハンプ容疑者は容疑を否認しており、豊田氏は「仲間を信じ、捜査を通じて法を犯す意図がなかったことが明らかにされると信じている」と述べた。
ハンプ容疑者は女性や外国人の登用を進めるトヨタの“目玉人事”として4月に初の女性役員に抜擢(ばってき)された。豊田氏は登用の理由を「人柄と現場を任せられること」と説明。米国籍のハンプ容疑者が役員として日本に常駐することが「真のグローバル企業の第一歩。ハンプ氏も溶け込む努力をしていた」と強調。
一方で「(トヨタとして)サポートする準備が多少不足していた」とも述べた。
逮捕後のハンプ容疑者の様子や今後の処遇については「捜査にかかわる」として回答を避けた。逮捕による販売などへの影響は出ていないという。
ハンプ容疑者は、麻薬成分を含む錠剤を密輸したとして18日に警視庁に逮捕された。「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認している。