会談を前に握手する岸田文雄外相(右)と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相=2015年6月21日午後、東京都港区の外務省飯倉公館(代表撮影)【拡大】
≪糸口探る日韓、「慰安婦」深入りせず≫
約4年ぶりに韓国外相を日本に迎えた21日の日韓外相会談は、22日の国交正常化50周年の節目にあたり、冷え込む両国関係をリセットする出発点に位置づけられた。韓国側が拘泥するあまり関係改善への最大の阻害要因となっている慰安婦問題については、双方が従来の主張を述べるにとどまり“深入り”を回避したとみられる。両外相は安全保障や経済での協力確認など「よき隣人同士」への回帰の演出に腐心したようだ。
日韓外相会談について日本の外務省幹部は20日夜、「慰安婦問題は大きな争点にならない」と断言した。
外務省幹部によると日韓両政府は、双方の「溝」が一向に埋まらない慰安婦問題は主要議題とせず、両国が関係改善をアピールできる案件を模索。中国・北朝鮮の軍事的脅威にさらされる周辺地域の安全保障問題や、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録問題などに力点を置くことで調整を進めてきた。