会談を前に握手する岸田文雄外相(右)と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相=2015年6月21日午後、東京都港区の外務省飯倉公館(代表撮影)【拡大】
両国は5月23日、財務対話を約2年半ぶりに再開。30日にはシンガポールで約4年ぶりとなる防衛相会談を行うなど閣僚級対話を加速させた。表層的には朴槿恵政権下での初の日韓首脳会談実現に向けた環境は整いつつあるように映る。
だが内実は、韓国側が慰安婦問題を弥縫的(びほうてき)に“一時休戦”させているにすぎないようだ。日本外務省幹部も「基本的な考え方を変えて議論を進めることはない」と述べており、日本に「法的責任」を迫る韓国側の要求をのむことはない。
韓国はまた、安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話に「謝罪」の文言が入るか神経をとがらせている。朴政権が「反日」「歴史」の両カードを懐に温存し続ける以上、日韓関係が本格的に雪解けへと進む可能性は低い。(高木桂一、坂本一之/SANKEI EXPRESS)