会談を前に握手する岸田文雄外相(右)と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相=2015年6月21日午後、東京都港区の外務省飯倉公館(代表撮影)【拡大】
≪朴政権、米に外交努力をアピール≫
韓国の朴槿恵政権が尹炳世外相の訪日に踏み切った背景には、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録をめぐる可否決定が7月上旬に迫る中、日本側の譲歩を引き出すためには「外相の訪日カード」を切るしかないという事情があった。韓国側にはまず、日韓の関係改善を求める米国に対し、努力姿勢を強くアピールしなければならない事情がある。朴大統領は、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの国内対応を優先させて、今月中旬の米国訪問を土壇場で延期した。「外交的非礼」を補うためにも日韓関係改善への積極姿勢を強調する必要に迫られている。
韓国メディアは最近、安倍晋三首相の訪米成功などを受け、韓国外交を厳しく批判。韓国の孤立を避けるためにも日韓首脳会談の早期実施を求めている。(ソウル 藤本欣也/SANKEI EXPRESS)