東京都内で開かれた日韓国交正常化50年の韓国側記念行事であいさつする安倍晋三(しんぞう)首相(右)と、韓国・首都ソウル市内の日本側記念行事で演説する韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領=2015年6月22日(共同)【拡大】
日韓関係はこの半世紀で大きく発展した。朝鮮日報によると、両国の貿易総額は1965年の約2億2000万ドルから2014年には約860億ドルと390倍に、年間往来者数は1万人から500万人へ500倍に増えている。
ただし、韓国貿易協会などによると、昨年は日本からの輸入額が全体の1割にとどまるなど、韓国の貿易で日本の占める割合は国交正常化以降で最低を記録した。日本からの輸入は国交正常化直後には全体の約4割を占めていたという。
代わりに台頭したのが、今や韓国にとって最大の貿易相手国となった中国だ。昨年、韓国を訪れた観光客数は、日本人が前年比17%減の約228万人だったのに対し、中国人は前年比41%増の約612万人で全体の43%を占めた。この半世紀で韓国における日本と中国の存在感は一転した。
ただ、韓国で中国の影響力が増大することへの警戒感も少なくない。保守系の韓国メディアを中心に、早期の日韓首脳会談実現を求める声が強まっているのもそうした背景がある。
金鍾泌氏は中央日報紙上で、朴槿恵大統領と安倍晋三首相に対し「感情外交をやめるべきだ」と国益重視の実利外交を説いている。(ソウル 藤本欣也/SANKEI EXPRESS)