デンマークの国民的スターで、今やハリウッドでも確たる地位を築いたマッツ・ミケルセン(49)が、愛する者を奪われた男の復讐を描いた米西部劇「悪党に粛清を」(クリスチャン・レヴリング監督)で主演を務め、原題「The Salvation」(魂の救済)の意味を問いかけた。
ミケルセンは「家族思いの平凡な男が、残酷な仕打ちを受けた妻子の無念を晴らすべく同じやり方で復讐を企てますが、闇に取り込まれ、自分もまた残酷な人物に変わっていきます。ささやかな幸せを理不尽に奪い去られたとき、いかに人間性を失わずにいられるか? また、人間性を保つとはどういうことなのか? この映画のテーマをじっくりと考えてもらえればうれしいですね」と期待を寄せた。
デンマーク人の西部劇
1870年代。戦争で荒れ果てた故郷デンマークを離れ、新天地アメリカへと旅立った元兵士のジョン(ミケルセン)。なんとか仕事も軌道に乗った7年後、満を持して妻(エヴァ・グリーン)と一人息子を呼び寄せた。しかし、喜びもつかの間、自宅へと向かう駅馬車で乗り合わせた2人の男に因縁を付けられ、妻子は無残に殺害されてしまう。悲しみと怒りに度を失ったジョンは2人の射殺に及ぶが、その1人はこのあたりを仕切るならず者(ジェフリー・ディーン・モーガン)の弟だった-。