アジアインフラ投資銀行設立協定の署名式で、記念写真に納まる中国の習近平国家主席(前列中央)と創設メンバー国の代表ら=2015年6月29日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(ロイター)【拡大】
中国の楼継偉財政相(64)は署名式で「中国がアジアと世界の経済発展に国際的な責任を引き受ける重要な取り組みだ」と強調した。
習近平国家主席(62)が提唱した「新シルクロード構想」のルート上に重なる広域アジアのインフラ建設需要は、2020年までに8兆ドル規模と試算されている。AIIBは建設案件への資金供給源として中心的役割を果たす。
インフラ建設をてこにする習氏の周辺外交は「中国版マーシャルプラン」と評される。中国はインフラ外交で、国際社会での発言権を高める狙いだ。(北京 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)
≪中国が単独「拒否権」 見えにくい透明性≫
AIIBは、日米欧が中心の世界銀行やADBなど、既存の国際金融機関とは異質な利益最優先の組織だ。銀行運営の「透明性」に懸念もあり、国際社会から信頼を得られるかが課題となる。