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AIIB 比など7カ国署名見送り 中国が単独「拒否権」 見えにくい透明性 (4/5ページ)

2015.6.30 08:00

アジアインフラ投資銀行設立協定の署名式で、記念写真に納まる中国の習近平国家主席(前列中央)と創設メンバー国の代表ら=2015年6月29日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(ロイター)

アジアインフラ投資銀行設立協定の署名式で、記念写真に納まる中国の習近平国家主席(前列中央)と創設メンバー国の代表ら=2015年6月29日、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(ロイター)【拡大】

 また途上国が、審査の手軽なAIIBに資金支援を求めてなびく懸念もある。ある経済アナリストは「世銀やADBを既存の大手航空会社とすれば、AIIBは安全運航経験のない新参の格安航空会社(LCC)」と指摘した。安易な融資が焦げ付けば不良債権の山を生む恐れがある。

 国内の個人消費や輸出が低迷する中国にとって、AIIB経由のインフラ投信で、鉄鋼製品や建設機械などの国内在庫が解消し、収益も上がる仕組みは理想的だ。しかし国際金融機関としての透明性や公平性は見えにくい。

 日本政府も「不明な点が多い」(政府高官)として当面は距離を置く立場を維持する構えだ。独自にアジアのインフラ整備拡充を図り、日本の技術力を生かす「質の高いインフラ投資」による貢献を目指す。昨年11月から4度の利下げに踏み切るなど中国経済の先行き懸念も重なり、政府内には「中国は問題を抱えながら走っている」と冷ややかな声も漏れる。

国際金融筋「(既存機関の審査で)一番時間を要するのが環境審査と住民への影響調査」

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