遠慮のない歌詞
表題曲「new place」のように、“僕には見えないあなたの過去の/どこかが少し狂っていたって/ここではきっと何でもないと思えるはず”という前を向いた歌があるかと思うと、“どうせあなたの中身は空洞なんでしょ?/僕が針で軽く刺せば/まぬけな音を立てて破裂しちゃうんでしょ?”といった自己満足な人物に対して皮肉を込めた「bam」、恋愛相手に痛烈な言葉を投げ掛けた「僕≠僕」といった歌もある。多彩なサウンドは体を、遠慮のない歌詞は心を揺らしていく。
「歌詞の書き方が変わってきました。曲から僕のことも知ってもらって、より近い存在になりたいという感じでしょうか」と、福永は話す。
ステージでは上手にドラム、下手にベース、奥にギターが位置し、その中央が福永の舞台となって、第1章、第2章といった形でパフォーマンスが進められる。しかも他にジュエリーデザイナーなど3人を加えた、計7人の創造集団“雨のパレード”としても活動中という。異彩を放つ彼らの音楽性、その活動に注目してほしい。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)