「えっ、理髪店? 散髪でもないのに入りづらいなあ」と思いながらも好意を無下にもできず、ドアを押す。奥から出てきたおかみさんに聞くと「ありますよ」。3軒目にしてようやくゲット。思わず上限の5万円分を申し込んだ。「あたしらも慣れてなくてねえ」なんて理髪店のおかみさんと話していたら、外に自転車を引いてやってきた和菓子屋のおじいさんが見えた。「いやあ、あったかなと思ってね」。気にして見に来てくれたのだ。
こうして無事、先行予約をすることができ、8月の購入日を待つだけである。ほぼ初体験の商店街であちこちの店に入り、会話をした朝が妙に新鮮で、会社に向かう足取りが軽かった。
景気とか交付金とか、理屈はいろいろあるけれど、理屈抜きに地元の商店街に足を運ぶ、いいきっかけになった。気のいいおじいさん、話し好きのおばさんたちがいる。5万円分の商品券で何を買うかは思案中だが、「悪くはない事業だ」と今は思っている。(小川記代子/SANKEI EXPRESS)