大ヒットを記録したアニメーション映画「おおかみこどもの雨と雪」から3年、ヒットメーカー細田守監督(47)によるオリジナル長編「バケモノの子」が完成した。多くの若者たちが集う東京・渋谷の街と、バケモノたちが暮らす「渋天街(じゅうてんがい)」。交わるはずのない2つの世界を舞台に、ナイーブな人間の少年・九太(きゅうた)と、けんかがめっぽう強いバケモノ・熊徹(くまてつ)との間に師弟とも親子ともつかない不思議な絆が芽生えていく-。今回、脚本も手がけた細田監督による現代のおとぎ話がすがすがしく描き出された。
振る舞いを見て育つ
主人公の熊徹を力強く圧倒的な声色で表現した役所広司(やくしょ・こうじ、59)はSANKEI EXPRESSのインタビューに「作品は親と子、特に父と子を描いた成長の物語なんですね。何十年たっても色あせない物語だと思いますよ」と太鼓判を押した。これに対し、九太の少年時代を担当した宮﨑あおい(29)は「迫力満点の格闘シーンがたくさん描かれているので、完成後に作品を見たとき、なんだかわくわくしました」とハイライトの一つを紹介した。