照ノ富士(右)が上手投げで碧山(あおいやま)を破る=2015年7月12日、愛知県名古屋市中区・愛知県体育館(山田喜貴撮影)【拡大】
左四つで右上手を取ると「もう、こうなれば大丈夫」と余裕十分。まわしを引けば絶対の自信を誇り、193キロの相手を豪快な上手投げで転がした。「ばたばたしたけどね。良かったね」と一息ついた。
23歳の若く勢いに乗る新大関は特有の緊張感に関する質問を嫌い、もう一つ上の最高位に就くことだけを考えて突っ走る。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「稽古は何番やっても足りない。横綱になって一人前」と精進を促す。変わらない猛稽古を続ける照ノ富士は「正しい道というのは普通に頑張るということ。自分は間違ったことはしていないと思う」と己を信じている。
審判部長を務める師匠に返還式で渡した賜杯の重みを問われても「別に今はそんなに考えていない」と目の前の一番に集中する。夢の横綱への第一歩は再び賜杯を手にすることだ。(SANKEI EXPRESS)