探査機ニューホライズンズが7月14日に撮影した冥王星の地表。高さ約3500メートルもの山々(中央)が集まり、近くにクレーターのない平地が広がっている(左下のスケールは約80キロ、NASA提供・共同)【拡大】
この計画に携わる、米サウスウエスト研究所(コロラド州)のジョン・スペンサー氏は、撮影された画像を見て「本当に壮観な山脈だ」と、記者団に感想を漏した。
さらに、山脈が氷でできている根拠を解説。冥王星の地表には、豊富な窒素や凍ったメタン、一酸化炭素が広がっており、「これらで創生される物質は柔らかいので、岩の山脈を形成するのは不可能だ。氷でしか形成されない」と断言する。
多くの科学者は、太陽系の一部の星が険しい地形になるのは、隣接する巨大惑星の力の影響を受けるからだと考えている。しかし、冥王星の近くに巨大な惑星はないため、NASAは、この山脈が今も活動して、成長している可能性があるとみている。
地表、1億年前平らに
地表にクレーターがほとんどないことについてNASAは、太陽系の創生が約45億年前であることなどを考慮した上で画像を分析。地表は約1億年前の地殻活動により、過去のクレーターが埋まって平らになったと推測している。