計画に反対を表明していた元陸上選手の為末大(ためすえ・だい)さん(37)は17日、オフィシャルサイトで「再検討されることはうれしい」と評価。「聖域であることをやめ、毎日国民に使われるすべての人にひらかれた国立競技場を」「なるべく観客が近い位置で選手の息づかいを感じられる形を目指してほしい」とつづった。
≪抗議電話殺到 JSCの事務局関係者「正直に言って涙が出る」≫
迷走を続けた新国立競技場の建設計画が、首相の一声で振り出しに戻ったが、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)には巨費投入に反対する抗議の電話が1週間で数百件も殺到していた。財源のめどが立たないまま計画を進めてきた文部科学省は重い空気に包まれた。
都内のJSCの事務局では、首相が白紙撤回を表明した様子を報じる夕方のテレビ中継に職員がくぎ付けになったという。計画に関わってきた関係者は「正直に言って涙が出る。ここに至るまでにも税金を使っている。(現計画を)前に進められなかったことが申し訳なく情けない」とつぶやいた。