被害者を「愚かだ」と責めることができるだろうか。私が同じ状況に置かれたら、同じ選択をしていたかもしれない。守りたい家族の顔が思い浮かんで胸に痛みを覚えた。家族のためにという純粋な思いが被害者を動かす原動力だった。その思いが利用され踏みにじられた。心が支配され、消えない傷を心に深く刻まれたのである。
人身取引は、人の心が取引される「人心取引」だと思った。7月30日は国連の「人身取引反対世界デー」。純粋な思いが不正に取引されない世界の実現を心から願う。(文:ワールド・ビジョン・ジャパン 松本謡子(ようこ)/撮影:ワールド・ビジョン・ジャパン/SANKEI EXPRESS)