安倍晋三首相は3日の衆院平和安全法制特別委員会で、北朝鮮から拉致被害者らの再調査に関し「包括的調査を誠実に行っているが、今しばらく時間がかかる」と報告延期の連絡があったことを明らかにした。首相は3日、岸田文雄外相と山谷(やまたに)えり子拉致問題担当相に北朝鮮への働き掛けを強化するよう指示した。
北朝鮮は調査期間について「1年程度が目標」としてきた。4日で調査開始から1年となるが、北朝鮮は2日夜に北京の大使館ルートを通じ延期を伝達してきた。首相は衆院平和安全法制特別委で「調査開始から1年が経過する今も拉致被害者の帰国が実現していないことは誠に遺憾だ」と述べた。政府は3日、「遺憾だ。迅速な調査を通じ、すべての問題の解決を求める」とのメッセージを北京の大使館ルートで北朝鮮側に伝えた。
政府は北朝鮮と月に1、2回程度の非公式協議を行っているが、北朝鮮側が拉致被害者の生存情報を欠いた初回報告を打診し、日本側が拒否する状況が続いている。政府高官は北朝鮮が主張する報告期限について「夏の終わりから秋の初め」とみている。