一気の寄りで豪栄道(右)を下した白鵬=2015年7月24日、愛知県名古屋市中区の愛知県体育館(共同)【拡大】
大相撲名古屋場所13日目は24日、愛知県体育館で行われ、横綱白鵬が大関豪栄道を力強く寄り切り、1敗で単独トップに立った。横綱鶴竜(かくりゅう)は大関稀勢の里(きせのさと)の寄りに屈し、2敗に後退。14日目に鶴竜が敗れて白鵬が勝てば、白鵬の2場所ぶり35度目の優勝が決まる。新大関照ノ富士は関脇逸ノ城(いちのじょう)を小手投げで下し、稀勢の里、関脇栃煌山(とちおうざん)とともに10勝3敗。5度目のかど番で後がない大関琴奨菊は6勝7敗と踏みとどまった。
波乱を期待してか、豪栄道への声援が幾重にも館内を包み込んでいた。それでも白鵬の心は乱れなかった。「まあそういう立場にいますから」と冷静そのもの。厳しい取り口でねじふせ、客席からの“逆風”を賛辞の拍手に変えた。「お客さんが一番わかっている」。持ち味が凝縮した相撲を終え、横綱は満足げに振り返った。
勝負に要した時間はわずか2秒5。強さ、速さ、うまさの全てで勝った。立ち合い、相手の出足をそぐ強烈な右張り手での先制攻撃から2本差してつかまえ、両かいなを返すと一気に寄り切った。豪栄道は「反撃のしようがなかった」と敗者の弁を述べた。