売却で得る資金は、年金基金の充当や借金返済、教科書・教材などのデジタル化新事業への投資に使われるという。ピアソンは「本業が苦しくなる中、ジャーナリズムへの情熱を失った」とささやかれている。
さらに、「FTグループの情報機関(インテリジェンス)」と呼ばれている有力経済誌、エコノミストについても、株式の売却が検討されている。その一方、ロンドン中心のFT本社ビルは手放さなかった。今後、利益をもたらす可能性があるためだ。
世界有数の新聞文化を創り上げてきた英紙も、発行部数減とそれにともなう広告収入の減少で日本以上に厳しい状況に置かれ、今や身売りは日常的だ。
夕刊紙、イブニング・スタンダードが5年余り前に、元旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のロシア人大富豪に買収され、広告と事業を収入源としたロンドンのフリーペーパーに変身。高級紙、インディペンデントも同じ富豪が買収した。
最も売れている大衆紙、サンや高級紙のタイムズは、メディア王ともいわれるルパート・マードック氏率いる米ニューズ・コーポレーションが買収し傘下に置く。
報道姿勢の変化への懸念も出るなか、FTは25日、「新しい未来、恐れず偏らず」と題した社説を掲載。「日経ファミリーに加わり、名誉ある歴史に次なる章を書き記すのを楽しみにしている」と記した。(ロンドン 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS)