文武両道に秀でた、なかなか奥ゆかしい人物だ。理系の道に進んだドルフ・ラングレン(57)は、スウェーデン王立工科大や米国のマサチューセッツ工科大で数学、物理学、化学を学ぶ一方、極真会館に入門して空手を学び、ついには三段の黒帯保持者となってしまう。
その後、映画「ロッキー4/炎の友情」(シルベスター・スタローン監督兼脚本)への出演でスターダムに駆け上がり、押しも押されもせぬ世界的なスターとなったことは周知のとおりだが、本人としてはまだまだやりたいことがいっぱいあり、とてもじっとしてはいられないそうだ。
構想10年の企画
その一つが、緻密な取材を重ね、10年間ほど温めていた虎の子の企画を具現化させた主演のアクション映画「バトルヒート」(エカチャイ・ウアクロンタム監督、米・タイ合作)を世に送り出すこと。本作はラングレンの十八番とされる娯楽アクションという枠を飛び越え、世界で秘密裏に行われている人身売買の一端をテーマとしたリアリティーに富んだシリアスな仕上がりとなっている。