デビュー以来、原爆と殉教を大きなテーマに据えてきた。「カトリックの殉教も、被爆も、長崎という土地の記憶です。楕円(だえん)形のように、原爆と殉教という2つの中心を持ち続けています」
長崎に生まれ、長崎を書く。「観光地ではありますが、その土の下には血生臭い記憶が眠っている。ここに生まれたら、書くしかないですね」(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■せいらい・ゆういち 1958年、長崎市生まれ。長崎大学卒。長崎市職員を務めながら執筆を続ける。95年、「ジェロニモの十字架」で第80回文学界新人賞、2001年「聖水」で第124回芥川賞、07年「爆心」で第18回伊藤整文学賞、第43回谷崎潤一郎賞受賞。10年、長崎原爆資料館館長に就任。
「人間のしわざ」(青来有一著/集英社、1500円+税)