新聞記事にはさまざまな反応が寄せられる。ごくたまに「いい記事だった」とはがきが来ると、踊り出したいほどうれしい。しかし昨年、タレントの高田純次さんのインタビューを掲載したとき「何でこんなふざけたヤツを載せるんだ」と文句が来た。
重力を感じさせない高田さんの浮遊感は常人では出せない。そんな魅力を紹介したかったのだが、「苦節30年」や歴史に名を残す重厚長大な方々と肩を並べるには、どうも筆力が至らなかったようだと反省した。
その高田純次さんが7月、TBS系「情熱大陸」に出演した。毎回、1人を丹念に追って、その人となりを熱く語ることで知られる番組。浮遊感とミスマッチではないかと心配しながら見たが杞憂(きゆう)だった。熱くないのに人生訓ばかりだった。68歳の高田さん、番組で、年をとってやってはいけないことと自戒しているのは「説教・昔話・自慢話」と語っていた。「だからエロ話しかできない」と笑いを誘う。
私自身、最近、飲むと説教モードに入ることに嫌気がさしていた。昔も今も「説教・昔話・自慢話」ばかりの人が大嫌いだったはずなのに。年をとった人を、周囲はいさめない。単に注進するのが面倒くさいからなのだが、当人はすっかり勘違いしてしまう。