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夫婦の戦後 不条理な「現実」えぐる 映画「あの日のように抱きしめて」 クリスティアン・ペッツォルト監督に聞く (2/5ページ)

2015.8.14 11:00

撮影現場を見守り、演出を思案するクリスティアン・ペッツォルト監督(左)=2011年8月29日(クレストインターナショナル提供)

撮影現場を見守り、演出を思案するクリスティアン・ペッツォルト監督(左)=2011年8月29日(クレストインターナショナル提供)【拡大】

  • 【メディアトリガーplus(試聴無料)】映画「あの日のように抱きしめて」(クリスティアン・ペッツォルト監督)。8月15日公開(クレストインターナショナル提供)。(C)SCHRAMM_FILM/BR/WDR/ARTE2014

 愛情は再構築できるか

 《1945年、ベルリン。ユダヤ人の歌手、ネリー・レンツ(ニーナ・ホス)は強制収容所から奇跡的に生還した。しかし、顔に原形をとどめないほどの大きな傷を負い、顔の再生手術を受ける。その後、過去の自分を取り戻すべく、行方不明となっていた夫、ジョニー・レンツ(ロナルト・ツェアフェルト)の捜索に乗り出したネリーは、苦労の末、とあるバーでジョニーとの再会を果たす。ところがジョニーは彼女がネリー本人だと気づかぬまま、思いがけない提案をもちかける。『収容所で死んだ妻になりすましてほしい。遺産をせしめよう』。夫は自分を愛していたのか? それとも、裏切り、ナチスに身柄を売り渡したのか? ジョニーの真意を確かめるため、ネリーは提案を受け入れる》

 映画化の端緒は、フランスの小説家、ユベール・モンティエ(87)の心理スリラーで本作の原作ともなった「帰らざる肉体」との出合いだった。「強制収容所で苛烈な拷問を受け、人間性を完全に破壊されてしまった場合、戦後、元の生活の場に戻ることができても、果たして恋人や配偶者と愛情関係を再構築することができるのか? そこに関心を持ちました」

帰還者は厄介者

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